今回ご紹介するのは、赤坂六丁目10~19番のあいだにある「本氷川坂」です。
氷川神社の西脇を、優雅に湾曲しながら下っていく坂道です。
『本氷川坂』(もとひかわざか)
坂途中の東側に本氷川明神があって坂の名になった。
社は明治16年4月、氷川神社に合祀された。元氷川坂とも書いた。
本氷川坂を下ると「勝海舟邸跡」という標識があります。
勝海舟が最も華々しく活躍した幕末から明治にかけて、本氷川坂にあった邸宅に住んでいました。
古地図には氷川神社の隣地に勝海舟の本名「勝麟太郎」の名前があります。
この地図は幕末に作成されたものであることがわかります。
氷川神社は初詣の参拝に訪れた方々で賑わっていました。
『氷川神社』(ひかわじんじゃ)港区赤坂六丁目10番12号
創建は天暦5年(951年)
白金にある「白金氷川神社」、元麻布にある「麻布氷川神社」と区別するため
「赤坂氷川神社」とも称される。
境内には樹齢450年の「大銀杏」の大木があります。
毎年11月下旬に色鮮やかに黄葉し、生命力の強さと神秘さを感じさせます。
この大銀杏は港区の天然記念物になっています。
また、境内には「包丁塚」があります。
「料理人の使い古した包丁を納め、その恩恵に感謝し、調理した動物や魚の霊を慰めるためのもの」で、毎年10月上旬の土曜日に包丁塚祭が行われます。
氷川神社の東脇にはもう一つ坂道があります。
赤坂六丁目8~10番のあいだにあるのが「氷川坂」です。
『氷川坂』(ひかわざか)
八代将軍徳川吉宗の命で建てられた氷川神社のもと正面に当たる坂である。
六本木通りもなだらかな坂道になっています。
かつては「市三坂」と呼ばれていた坂道です。
名前の由来は「市兵衛町」と「三河台町」の頭文字をとってつけられたということです。
六本木通りを渡ったところには「なだれ坂」があります。
六本木三丁目2~4番のあいだです。
『なだれ坂』(なだれざか)
流垂・奈太礼・長垂などと書いた。土崩れがあったためか。
幸国(寺)坂、市兵衛坂の別名もあった。
その横にある坂は「寄席坂」で、六本木三丁目4~5番のあいだにあります。
『寄席坂』(よせざか)
坂の途中の北側に、明治から大正3年にかけて、福井亭という寄席があったために、
寄席坂とよびならわすようになった。
この狭いエリアのなかだけでも4つの坂道があります。
港区は坂道の宝庫ですね。
『本氷川坂』(もとひかわざか)
東京都港区赤坂六丁目10~19番のあいだ
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2022年1月7日