今回ご紹介するのは「狸穴坂」
麻布狸穴町と麻布台2丁目および東麻布2丁目の間にある坂道です。
江戸時代の古地図にも「狸穴坂」の地名があります。
このあたりは多くの大名屋敷が軒を連ねていました。
現在の地名は「麻布狸穴町」
「狸穴坂」は在日ロシア連邦大使館の西側を上る日当たりの良い坂道です。
高級マンションも立ち並ぶエリアです。
坂の下には「東京法務局 港出張所」があります。
【狸穴坂(まみあなざか)】
まみとは雌ダヌキ・ムササビまたはアナグマの類で、昔その穴(まぶ)が坂下にあったという。採鉱の穴であったという説もある。
古狸が住んでいたほら穴が坂下にあったことから「狸穴坂」と呼ばれるようになったというのが有力な説です。
狸穴公園の先には江戸情緒を今に伝える鼠坂があります。
【鼠坂(ねずみざか)】
細長く狭い道を、江戸でねずみ坂と呼ぶふうがあったといわれる。
鼠坂は植木坂に繋がります。
【植木坂(うえきざか)】
この付近に植木屋があり、菊人形を始めたという。外苑東通りからおりる所という説もある。
在日ロシア連邦大使館の東側には「日本経緯度原点」があります。
【日本経緯度原点】
明治25年(1892年)ここにあった東京天文台の子午環の中心が「日本経緯度原点」と定められました。
ここは、日本の経度と緯度を測定する基準となる点で、明治25年(1892年)に定められました。その後、3月11日の東北地方太平洋沖地震により改正がおこなわれましたが、現在も地図測量の原点として利用されています。
日本経緯度原点は、史跡として港区指定文化財にも指定されています。
日本経緯度原点の隣には「在日アフガニスタン大使館」の建物があります。
【島崎藤村旧居跡】
鼠坂を上ったところに島崎藤村の旧居跡の石碑があります。
藤村は47歳から18年間暮らしたこの地で「夜明け前」を執筆しました。
【虎ノ門・麻布台プロジェクト】
坂の上にあった麻布郵便局は取り壊され、現在、再開発が行われています。
虎ノ門五丁目・麻布台一丁目・六本木三丁目に広がる「虎ノ門・麻布台プロジェクト」です。
「メインタワー」の高さは325.19m。
高さ300mの「あべのハルカス」を抜き、日本一の高さのビルになります。
地上64階、地下5階の超高層ビルです。
「メインタワー」は低層部にオフィスや商業施設、7~52階にオフィス、54~64階に「アマンレジデンス東京」(全91戸)が入居します。
併設する地上7階、地下1階にはインターナショナルスクールが開校予定。
国籍50か国以上の生徒が約700人、グラウンドが2つの学校となります。
完成予定は2023年3月31日です。
江戸時代からある狸穴坂も、前回ご紹介した鳥居坂と同様に、周囲の建物は時代と共に変貌を遂げていきます。
『狸穴坂(まみあなざか)』
所在地:東京都港区麻布狸穴町と麻布台2丁目および東麻布2丁目の間
アクセス:東京メトロ(および都営地下鉄)・麻布十番駅より徒歩6分
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2021年4月28日