東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅の2番出口から地上に出て桜田通りを歩くと、金刀比羅宮 (ことひらぐう) の鳥居があります。そのすぐ後ろには高層オフィスビルの虎ノ門琴平タワーがあり、境内の一部は琴平タワーの1階と重なり合っています。
桜田通りに面して大きな鳥居と高層ビルが一体化している光景は、まさに「大都会の真ん中」に鎮座する神社そのもので、初めて見たときはそのインパクトにびっくりしました。
神社とビルが一体化しているものは他にもありますが、これほどスタイリッシュな参道は、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか?
ところで、金刀比羅宮といえば、「金毘羅(こんぴら)さん」こと香川県の金刀比羅宮を思い浮かべる人も多いと思います。同宮に祀られているのは、その御分霊になります。
江戸時代、讃岐国丸亀藩主であった京極氏が、江戸の藩邸内(芝・三田)に、故郷の神として祀ったのが同宮の起源です。その後、現在の虎ノ門に遷座されました。江戸庶民の熱烈な要望から、毎月10日のみ、邸内への参拝が許可されることになったそうです。
当時は「金毘羅大権現」と称されていましたが、明治二(1869)年、神仏分離の神祇官の沙汰により「事比羅神社」に、明治二十二(1889)年には「金刀比羅宮」に社号が改称されています。
ご神徳は「海上守護」「大漁満足」はもちろんのこと、「五穀豊穣」「殖産興業」「招福除災」の神として広く庶民に尊信され、東国名社の一つとして知られています。
また、社殿横には「結(むすび)神社」があり、こちらはその名のとおり、女性への「縁結び」の御神徳があるとのことです。
木々が繁り、ベンチも多く、高層ビルの狭間のオアシス的な場所です。願い事があるときはもちろん、ちょっとした癒しタイムを過ごしたいときには、参拝に訪れてみてはいかがでしょうか?
(龍三郎)
虎ノ門 「金刀比羅宮」 (ことひらぐう)
東京都港区虎ノ門一丁目二番七号
東京メトロ銀座線 『虎ノ門駅』2番出口より徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線/千代田線/日比谷線 『霞ケ関駅』A13番出口より徒歩5分
ツイート @aozora26242018年5月12日