新型コロナによる緊急事態宣言時の「異常事態」が一旦の終わり(緊急事態宣言の解除という意味です)を見せ、弊社業務も少しずつですが新型コロナ以前の状態に戻りつつあります。
その中でオフィスマガジン「新年のご挨拶」では、
「オフィス賃貸マーケットは、2020年度末から沈静化が始まり2021年度以降に『ほぼ通常どおりになる』」
と予測させていただきました。
しかしながら、新型コロナの影響は大きく、明らかにオフィス賃料の潮目が変わりましたので緊急でのご報告となります。
巷の噂は実現し始めている
世間一般で言われている以下の2点は「確実に」起き始めております。
1.飲食を中心とした店舗物件の解約が増加しているのではないか?
2.テレワーク導入により、必要オフィス面積が減少しているのではないか?
但し、この2つの事象は東京全体(未調査ですが日本全体)に起きているに過ぎないのです。あくまで、都心部に限るならば、空いた好立地の物件に郊外区からの転入が起きています。
「新年のご挨拶」にてお伝えした不動産格差が想定以上に早い段階で進み出したといえると思います。
じゃあ港区の物件は高いまま?
弊社調べにおける港区の賃料相場推移では、2020年3月にピークを迎えた後に下落傾向が始まりました。これは、ほぼ空室率推移と負の相関関係がみて取れます。
しかしながら、空室率は、直近でも2年前の「2018年8月時点に戻っただけ」ですし、2017年8月対比では「やっと半分戻っただけ」です。
これまでお伝えしてきたとおり、この2年間は「歴史的異常事態」でしたので、今はまだその異常事態下の賃料相場と言えそうです。
移転の時期が選べるならばいつがベスト?
少し話題が逸れますが、お客様より弊社宛にいただくご相談で増えてきたのが「テレワークをやってみたら意外と出来るので、オフィスの縮小を検討したい」です。
ちょっと待ってください!
もちろん業種によると思いますが、17日に発表された「4~6月期GDP27.8%減」から言えることは、「世の中全体に仕事の量が30%減った」ということです。
それによりテレワークが成立した、と考えられなくもないわけで、今一度冷静に分析することが必要かもしれません。
近い将来、今行われている政府支援策の数々が外れる時が来るかもしれません。
換言すれば「もはや未来への借金(国債)で対応してはいけない財政支出の水準となってしまった」場合に、
日本経済がどんな状態にあるのかを見極めて「動く」のが賢明との見方をしています。
虎次郎
ご移転をお考えの方は、「オフィス移転お役立ち記事」もご参照いただければ幸いです。
2020年8月19日