椅子に座っている時間が長いと健康に悪いというデータが世を賑わせていますが、なんとなく悪者になっているようで、椅子が気の毒な気がします。
朝食を食べるときに座るダイニングの椅子、オフィスのデスクの椅子、会議室の椅子、ランチのお店の椅子、時々公園のベンチ、のんびりテレビを見るときに座るソファ・・・改めて思い返せば、毎日いろんな椅子にお世話になっていることに気が付きます。
椅子のコレクターとしても有名だった建築家 宮脇壇(みやわきまゆみ)の長女である宮脇彩(みやわきさい)が著者であるこの本には、20世紀の名品と言われる椅子の写真が沢山掲載されており、見ているだけで楽しくなります。
表紙の椅子はウェグナーのザ・チェア。雑誌の取材でコペンハーゲンに行き、ウェグナー邸を訪ねた宮脇壇が、その際に工房で注文したものだとか。
シングルファザーの先駆け?だった宮脇壇が、娘である彩と向き合う姿がほほえましく描かれていて、随所にちりばめられた彩の父に対する尊敬と愛を感じずにはいられません。
ピーク時は100脚もの椅子があったそうで、昨年は旭川で【建築家 宮脇檀 没後20年展】が開催され、その一部が展示されていたそうです。残念ながら展覧会に行くことはできませんでしたが、きっと素敵だったことでしょう。
2001年に上梓されたと同時期にこの本を入手した空子ですが、時々、眺めては「この椅子が欲しい~」を繰り返しています( ´艸`)
秋の夜長にのんびりと手にするには最適な本ではないでしょうか。
~本の情報~
『父の椅子/男の椅子(建築家宮脇檀・名作椅子コレクション)』
宮脇 彩 著
発行元 PHPエディターズ・グループ
発売元 PHP研究所
2019年9月25日