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    不動産コラム『ライフ・ステージに合わせた「家」とは。職場との関係を探る(第2話)』

    前回からの続き】

     

    筆者の手元に興味深いアンケート結果がある。「理想の通勤時間」は、30分前後が一番多い回答であり、それより短い通勤時間を上回っている。事務所と住まいが近過ぎるのを避けたい気持ちは何となくだが理解できる。有体に言ってしまえば、同僚が気軽に自宅に来られるのは嫌なのだろう。筆者が不思議に感じたのは、なぜそれが20分前後ではなく30分前後なのか?それを選択した人々の理由が面白い。「仕事とプライベートの切り替え時間として必要だから」と「新聞を読み通す時間が欲しい」が二大理由となっている。

     

    では、千代田区中央区を代表して東京駅、港区を代表して六本木駅、から30分の通勤圏を調べてみよう。自宅、事務所共に駅から徒歩時間を5分、計10分を徒歩時間として、待ち時間を朝夕合計で5分、乗車時間を15分と仮定させていただく。

     

    東京駅:(総武線)新小岩、新宿(山手線)大崎、田端(京浜東北線)大井町、上中里
    (京葉線)新木場、(丸ノ内線)新大塚、新宿御苑
    六本木駅:(日比谷線)八丁堀、都立大学(大江戸線)月島、西新宿五丁目、東新宿

     

    これを読者の皆さんはどう思われたか?意外と遠くまで行ける。やっぱり都内ということになりそうだ。そして、「うーん、戸建は厳しいかな。中古のマンションでやっとかな。」ってところではないだろうか。

     

    もう一つ面白いデータを提供したい。収入に対する住居関連費の占める適性割合である。25%が健全とされており、35%が限界とされている。東京都の2016年度調査によれば、都民の世帯収入(夫婦共働き)500万円未満が半数以上、平均年収が615万円である。このデータからは一部の富裕層が平均値を上げていることが読み取れるので、実際は400万円台となる。仮に450万円とした場合の適性住宅関連支出額は、112万~157万円、月額換算すると『9万円~13万円』となる。

     

    国土交通省によれば住宅取得の平均年齢はおよそ42歳であり、最長35年の住宅金融公庫「フラット35」を利用した場合の借入可能額は、2716万円~3924万円となる。

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    (虎次郎)

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    2018年10月26日